京浜急行電鉄(株)1000形AL車 LC座席化改造工事
竣工:2026年3月
施工:交通事業本部 車両工事部
2025年度の車体更新工事に合わせ、既存の1000形アルミ車(4両編成)2編成を対象に、ロングシートとクロスシートの切り替えが可能な「LC座席」への改造工事を実施しました。
1000形既存のアルミ車両への対応と事前の検証
LC座席を備えた車両は、各鉄道会社で既に導入されていますが、その多くは車両の新造時から備わっているものです。
既存のアルミ製車両をLC座席へと改造するケースは前例がないため、確実に施工を進められるよう、まずは廃車車両を用いて実証実験を行いました。
設計段階から細部まで検証を重ね、安全かつ確実な施工体制を整えて本番の工事に臨みました。
既存配線を維持するための施工方法の検討
座席設置にあたり、車体床下のトラス構造内を通る既存電線を撤去・移設せず、そのまま維持しながら取り付ける方法を模索し、社内でさまざまな工法を比較検討しました。
その結果、配線の損傷を防ぎつつ、十分な固定強度を担保するため、「リベット」と「金属用接着剤」を併用する工法を採用し、技術的課題を解決しました。
腰掛座の設置に伴う床敷物の丁寧な貼り合わせ
LC腰掛座や袖仕切りの取付座が新設されたことで、床面の形状が従来よりも複雑になりました。
床敷物の貼り付け作業においては、これらの新しい座の形状に合わせる必要があり、作業工程や枚数は通常よりも増えることとなりましたが、歪みや隙間が出ないよう一枚ずつ丁寧に仕上げました。
用語の解説
- LC座席 :運用状況に応じて、ロングシート(窓を背にした座席)とクロスシート(進行方向を向いた座席)に転
換可能な自動回転式座席のことです。デュアルシートと呼ばれることもあります。 - トラス構造:三角形を組み合わせた骨組みで構造物を支える建築・土木技術のことです。段ボールの断面のような形
状が特徴です。 - リベット :2つ以上の部材を強固に固定するために用いる、ネジ溝のない金属製のピン(鋲)のことです。「かし
め」という独自の工法で結合するため、通常のネジより取り外しが難しく、半永久的な接合に適してい
ます。